進学校を評価する指標となっている東大や京大の合格者数。難関大は旧帝大や一橋大、東工大などほかにもあるため、東大や京大に国立8大学を加えた「合格率」を分析してみた。トップ50には私立に加え、公立の伝統高も複数入っている。難関大に本当に強い高校を探ってみよう。
東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大の旧帝大7大学に、一橋大、東工大、神戸大を加えた計10大学について、合格率のランキングをまとめた。各地域のトップレベルの大学がそろっており、受験生の人気も高い。
国立大の医学部や私立の早稲田や慶應など、入るのが難しい大学はほかにもあるが、この10大学への進学実績は高校の実力をよく示している。
合格率は、10大学の合格者数(浪人生や推薦合格者らも含む)を卒業生数で割った数字だ。合格者数のランキングは卒業生数が多いところが有利だが、合格率では「少数精鋭」のところも浮かび上がってくる。
トップは国立の筑波大附駒場(東京)で74.1%。東大の合格者が109人(合格率67.3%)で、そのうち現役が80人を占めており、ストレートで東大に進む生徒が目立つ。京大合格者は2人だけで、一橋大や東工大などほかの難関大への合格者も少なく、「東大一極集中」となっている。
東大の合格者数ランキングでは開成(東京)が37年連続でトップだが、卒業生数は398人。筑波大附駒場は半分以下の162人で、まさに「精鋭」ぞろいだ。
73.1%とわずかな差で2位になったのは、全国屈指の進学校として知られる灘(兵庫)。関西の高校だが、東大の合格者が91人(41.6%)と多い。東大の中でも最も難しい理IIIに15人も合格しており、生徒の優秀さがうかがえる。京大にも42人(19.2%)が合格しており、約6割が東大・京大に進むことになる。
3位は甲陽学院(兵庫)の69.1%。東大の合格者は27人(13.9%)、京大は43人(22.2%)。それに加え、大阪大や神戸大の合格者が多いことが数字を押し上げた。
4位は大阪府立の北野で65.3%。各都道府県に一つずつあった「旧制一中」の流れをくむ。京大の合格者が前年より20人多い84人(26.5%)。全国でも最多だ。東大は7人にとどまるが、大阪大や神戸大にも多数が合格しており、地元志向がうかがえる。
北野はランキング14位の大阪府立・天王寺と同じく、「進学指導特色校」に指定された。駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長は、こう指摘する。