逆に、余裕がなくて別れないと勉強に集中できないような人は、合格率も伸び悩むのかもしれない。

 彼女や彼氏もいて、希望大学にも合格されては、多くの「非リア充」は立つ瀬が無い。だが、安心して欲しい。恋愛禁止は間違いだとは言い切れないようだ。新上さんは受験期間中から始まる恋愛や交際は勧めないと断言する。

「片思いの人は『相手が何を考えているかわからない』という不安で、時間をロスしている方が多い。いつもは『早く勝負しようよ』とアドバイスすることが多いですが、受験期は失恋したときのデメリットが大きい。成功しても、その後コミュニケーションをしっかりしていかないといけないので、受験生には負担が大きい。恋愛を先送りして、受験に成功したら告白するなどモチベーションにつなげるといいと思います」

 思春期の恋愛は、移ろいやすく壊れやすい。交際すれば、合格率が単純に上がるわけではなさそうだ。いまはセンター試験も終わり受験シーズン真っ盛り。多くの「非リア充」のみんなも安心して頑張ろう。(本誌・吉崎洋夫)

※週刊朝日オンライン限定記事

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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