大学に合格するまでは恋愛禁止。こんな考え方はもう時代遅れなのかも知れない。大手予備校の河合塾の調査で、交際している受験生と、交際していない受験生で「合格率」(勝率)に差はないことがわかった。むしろ、交際している受験生のほうが、希望校を含め全て合格した割合が高いという。恋愛などでリアルに充実している「リア充」、恐るべしだ。
調査は昨年11月28日から12月5日に、全国の大学生を対象にインターネットで行った。文系の男性と女性150人ずつ、理系の男性と女性150人ずつ、計600人分を集計。第一志望に受かったか落ちたかではなく、専願と併願を含め、受けた大学のうち合格した割合を分析した。
受験期間に異性と交際していたのは16.8%。そのグループの合格率(勝率)は71%だった。交際をしていなかったグループは70%で、違いは見られなかった。
交際者と非交際者のグループで差が出たのは、受けた大学全てに合格したかどうか。合格率(勝率)が10割と答えた人は、交際者グループが44%、非交際者グループが40%で4ポイントの開きがあった。
専門家はこの結果をどう見るか。恋愛結婚学研究所所長で、恋愛・婚活情報サイト「愛カツ」(https://aikatu.jp/)編集長の新上幸二さんは、交際している人たちが推薦入試やAO入試で良い結果を残しているのではないかと指摘する。こうした入試では、1校しか受けない専願制のところが多く、合格率(勝率)も高まりやすいためだ。
「交際している人は、コミュニケーション能力が高い人が多い。交際することで、その能力がさらに磨かれます。推薦入試やAO入試では面接がある場合も多く、『コミュ力』も合格率につながったのではないでしょうか」(新上さん)
交際している人は受験に余裕があるから恋人を見つけられている、という仮説も考えられる。交際相手とお互いに合格を約束し、励まし合う良い関係ができる面もある。