【映画と小説の舞台になった名店めぐり】
■井泉本店
文京区湯島3‐40‐3/営業時間:11:30~20:50L.O.(日祝は~20:30L.O.)/定休日:水(祝は営業)
昭和5(1930)年に「お箸できれるやわらかいとんかつ」を謳い文句に開業。3代目店主の石坂桃子さんは「祖父は日本人でも食べやすいようにと、豚肉を丁寧に叩いて柔らかくしたんだと思います」。昭和10年頃にはかつサンドを考案。昭和38年の映画「喜劇・とんかつ一代」は同店を模したセットで撮影され、2代目が森繁久彌に料理指導をした。ヒレかつ定食1850円。かつサンド6切れ900円、9切れ1350円
■蓮玉庵
台東区上野2‐8‐7/営業時間:11:30~18:15L.O. /定休日:月
安政6(1859)年創業で、森鴎外の『雁』の中に登場。〈「蓮玉へ寄って蕎麦を一杯食って行こうか」と、岡田が提議した〉〈下谷から本郷へかけて一番名高かった蕎麦屋である〉。坪内逍遥、樋口一葉も通っていた。斎藤茂吉は〈池之端の蓮玉庵に吾も入りつ上野公園に行く道すがら〉と詠んだ。ほのかな甘みのある昔ながらのせいろそば1000円