また、歩いておなかをすかせ、腸を温めることも大事だという。最後に、身近な食材で腸が快調となるオススメレシピを聞いてみた。
「タマネギ、ニンジン、キャベツをみじん切りにしてコンソメで味付けしたスープ。これをストックして毎日飲んでいたら、青汁を飲むより効果がありますよ。飽きたらベーコンやトマトを入れてもいいですね」(同)
「腸を大切にすると長生きする。これが超能力(腸能力)なんですね(笑)」
発酵学の第一人者で農学博士の小泉武夫・東京農業大名誉教授は、いたずらな笑みを向ける。
小泉名誉教授の肌を見て驚く。つややかで、74歳とは信じ難い。
小泉名誉教授は「免疫」の視点からも発酵食品を中心とした和食が腸に良いという。免疫細胞の7割以上が腸でつくられるといわれているからだ。
「みそなどの発酵食品と食物繊維と生きた菌を摂取していれば、免疫力が上がると言われているのです」(小泉名誉教授)。日本人は元々腸の強い民族なのだ、と言う。
「(1)根茎(2)菜っぱ(3)青果(4)春は山菜、秋はキノコ(5)豆類(6)海藻(7)穀物の七つが和食の中心でした」(同)
福島の酒造家に生まれ、醸造に発酵、食文化論を伝えてきた小泉名誉教授の定番食は──。
「朝は欠かさずみそ汁。昼は大体そばですね。時々カキフライ弁当のこともあります。夜は必ず魚を食べます。肉はほとんど食べません。納豆は毎日。ネギをみじん切りにして入れます。時々甘いものも食べますよ」(同)
大好物の高野豆腐は「100%近く食物繊維で良いですよ」と教えてくれた。
体のだるさ、感情的な不安などの原因は「腸のむくみ」にある、と唱えるのは、自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部の小林弘幸教授だ。
「疲れだとかイライラだとか、集中できないとか。それはすべて腸の悲鳴なんですよね。それが積み重なるから、うつになったりさまざまな病気が発症したりするんです」