腸のむくみとは、慢性炎症のことだといい、やけどと同じく、水ぶくれのような状態になるそうだ。

「がんをはじめ、潰瘍(かいよう)性大腸炎、炎症、そのほか便秘や継続的な下痢が出るときは、むくみが出ます。疲れや食欲減退、おなかの張りを感じるときは、腸のむくみを疑ってもいいです」(小林教授)

 腸のむくみを改善する方法のひとつとして、小林教授は「食事のリズム」に注目する。朝に食事を摂取し、それから6時間空けて昼ご飯、そして同じく6時間後に夜の食事に入る。

「食事をとってから6~7メートルの小腸の末端に到達するのに6時間かかります。だから、小腸で栄養を吸収しているときに新しい栄養が入ってくると、ストレスがかかるんです」(同)

 改善方法の二つ目は、「スクワット」。国内外の数多くのスポーツ選手らをサポートする小林教授らしい提案だ。

 便秘の症状は年を重ねるごとに右肩上がりだが、小林教授はその原因を、高齢者の(1)自律神経の活性化の低下(2)腸内環境の悪化(3)筋力の低下、にあると説明する。年をとって歩けなくなるのは、太ももの前にある大腿(だいたい)四頭筋が落ちるからだ。そこで、小林教授が伝授するスクワットは、膝(ひざ)を痛めないように、壁を背にして、軽く前かがみになり、おしりを壁にこするように上下する。3分もこなすと、足がガクガクになる。前かがみになることで、左右の腸骨の脇と肋骨(ろっこつ)の下の4点で支えられている大腸に刺激を加えている感じも伝わる。

「むくみというのは血流のうっ滞ですから、スクワットによってそれが改善されます。37兆個の細胞の一個一個にどれだけ質のいい血液を十分に流すことができるか。それに尽きると思います」(同)

 だからこそ、血流と腸内環境の大切さを訴える。

「高級食材や高級化粧品を使っても、腸内環境が悪かったら全部毒素を含み血流に乗って、肝臓や心臓と全身に回っていきます」(同)

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