松生院長考案! 地中海型和食ピラミッド (週刊朝日 2017年11月24日号より)
松生院長考案! 地中海型和食ピラミッド (週刊朝日 2017年11月24日号より)
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腸のむくみ度チェック (週刊朝日 2017年11月24日号より)
腸のむくみ度チェック (週刊朝日 2017年11月24日号より)

「腸育」を提唱したのが、『食物繊維で腸スッキリ!便秘解消データBOOK』(朝日新聞出版)の著者で、松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長。おすすめは腸管機能を高めるオリーブオイルだ。

【あなたの腸のむくみ度は? チェックリストはこちら】

 オリーブオイルに含まれるオメガ9系脂肪酸のオレイン酸を多くとると、便秘解消に効果的だ。特に、エクストラバージン(EXV)オリーブオイルは、腸内の滑りをよくし、排便を促す。

「年をとると、腸管機能の働きが弱まります。だからオリーブオイルや食物繊維を積極的にとりたいですね。腸内環境を整えるには『腸内フローラ』の調整と、『食事』『腸管機能の働き』の三つの因子が絡みます」(松生院長)

 松生院長のある日の夕食献立を聞いてみると──。

「もち麦ご飯1杯に具だくさんのみそ汁、オリーブオイルをかけた納豆、それにマグロのカルパッチョ。つまり生魚とオリーブオイル」

 この和食メニューに使う醤油とオリーブオイルとの相性が抜群だという。献立の「もち麦」も食物繊維が豊富だ。健康向けに「玄米」を思い浮かべるが、咀嚼(そしゃく)が足りないと未消化となり、おなかが張り、便が硬くなることもあり、逆効果だそうだ。

「もち麦は、お年寄りの方にもすすめています。カロリーが控えめで、ご飯に混ぜて炊くとおこわみたいにもちもちします。昔の麦飯のイメージとは違っておいしいですよ(笑)」

 配合比率は好みによるが、基本は米2に対し、もち麦1の割合。ならば、1日3食を玄米からもち麦に替えてみようかしら。

「それもいいとは思いますが、飽きるかもしれませんね。たとえば、朝はライ麦パンにオリーブオイルをつけて食べるのはいかがでしょうか」(同)

 では、オリーブオイルとともにとりたい食物繊維だが、気をつけたいことがある。

「昆布やわかめ、こんにゃくなどは、よく噛んで食べましょう。食べすぎると消化しきれずに詰まることもあります」(同)

 たとえば、便秘症の患者の便に春菊の太い茎が混じることもあるという。腸内での詰まりが原因だ。「こんにゃくの代わりに白滝にしてもいいと思います」(同)。これから鍋の季節。噛み切れない食材には気をつけたい。

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