ほかに心がけるのは、瞑想、水を50~100cc飲む、股関節を開いて鼠径リンパを流すストレッチ。「股関節の柔らかさと寿命は関係すると聞き、美容と健康のために続けています」
東京都八王子市の永生病院の野本達哉医師にも話を聞いた。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、表皮のターンオーバーやバリアー機能を回復させる。皮膚のハリが改善するので、美容と健康のためにも「たっぷり」寝るのがよいそうだ。
「皮膚のハリ改善に有効な栄養素コラーゲンペプチドを、寝る前にとるとよいでしょう。睡眠中は副交感神経が優位になり、腸の活動が活発になり吸収が高まります。コラーゲンペプチドはコラーゲンを酵素分解したもので、通常の食品からはわずかしか摂取できないので、サプリメントを活用しましょう」
美容家の日下部知世子さん(59)は寝る前に高濃度ビタミンCを飲む。
処方する銀座上符メディカルクリニック(東京都)の上符正志院長は「寝る前にビタミンCを飲むと、コルチゾールが下がり、副交感神経優位になる。ビタミンCは点滴も効果的です」という。
点滴や処方が難しい場合、含有量が高く品質の良い市販のサプリメントでも良さそうだ。上符院長は「寝るときに外から情報が入らないよう、刺激を完全にブロックすることが大切です」という。
「眠れない人にはストレッチも有効ですが、まずは光刺激を遮断しましょう。アイマスクも。私は耳栓をして寝ます」(上符院長)
入浴のタイミングも重要だ。入浴すると交感神経が優位になる。寝る直前に熱いお湯に入ると、神経が高ぶって眠りにくくなるので注意しよう。「体温が下がるとき、一気に眠くなります。私は寝る1時間ほど前にお風呂に入ります」(同)
前出の佐藤院長は「寝る前は、照明を落とした部屋でソファなどで過ごします。眠気が来るのを待って寝室へ行きましょう。眠くないのに布団に入ると不眠症につながる恐れがあります」という。
大事なのは睡眠前のリラックス。嫌なことを忘れ、大好きな場所や人をイメージし、ゆったりと過ごす。こうした流れで眠りにつけば、翌朝はきっと、肌の調子もよく、お通じもバッチリ。そして何よりハッピーな目覚めとなるだろう。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2017年10月20日号