原材料表示は、食品表示法で加工食品(包装容器に入れられた食品)に義務付けられ、原材料名を重さの割合の高い順に表示する決まりになっている。調理場で作って、その場で販売する弁当や総菜は対象外だ。
表示ルールでは、加工する際にアブラを加えていれば、記載しなければならない。ただ、植物由来か動物由来かは分けて書く必要があるものの、オリーブオイル、ごま油といったアブラの種類ではなく、単に植物油、植物油脂、動物油、加工油などの表示でもよい。アブラの種類について「非公開」と答えた企業もある。これに対し、日本脂質栄養学会はアブラの種類の表示も義務付けるよう要望している。
加えてチェックしたいのが、「栄養成分表示(タンパク質、脂質、炭水化物、塩分の表記)」だ。食品に含まれるトータルの脂質量が記されている。
「加工食品を購入する際は、必ず表示を確認する習慣をつけてほしい」(同)
隠れアブラはできるだけ控えたほうがいいが、加工食品には調理の手間が省けておいしいものが多く、忙しい現代人にとってありがたい存在。健康志向を意識した品ぞろえも増え、今や加工食品を排除して生活することは困難だ。
前出の守口さんは、「大事なのはバランス。オメガ6系と3系のアブラの割合を、4対1にすることを目指してほしい」と話し、隠れアブラと上手に付き合う生活を勧める。具体的には、【1】4食に1回は、魚料理を食べる(加工食品でも可)【2】揚げものは、できるだけ衣を外す(どうしても選ぶときは、カキフライやアジフライなど魚介系を)【3】1日2グラムのオメガ3系(エゴマ油やアマニ油では3グラム)をとる、などだ。
「エゴマ油やアマニ油は、オメガ6系の過剰摂取による害を抑えるオメガ3系のアブラ。サラダやヨーグルト、納豆、みそ汁にかけてとるとよいでしょう」(守口さん)
魚料理は刺し身でも焼き魚でも何でもよい。加工食品なら、サバ缶(水煮や味噌煮など)や魚肉ソーセージを。みそ汁やカレーに入れたり、炊き込みご飯などにしたりしてもおいしい。