アルバレス氏による“刑務所ラーメン”レシピ本
アルバレス氏による“刑務所ラーメン”レシピ本
この記事の写真をすべて見る

 日本発のインスタントラーメンが、海外の意外な場所にまで浸透していた。そこはなんとアメリカの刑務所。収容者にとって今や定番料理。刑務所内の売店で販売されているラーメンは昔、1袋5セントだったが、現在は1ドル以上もするという。

「刑務所内の通貨としても利用されていて、物々交換やギャンブルしたい場合はお金の代わりにも使える」

 こう話すのは、メキシコ生まれ、ロサンゼルス育ちのグスターボ・アルバレス氏(43)。彼にとってラーメンは刑務所の「家族」とシェアできる食事だった。同じ部屋の収容者らが買った材料と麺を大きな器に入れ、ソケットに延長コードをつなげて湯を沸かし器に注ぐ。できあがったラーメンを皆で食べることを「スプレッド」と呼ぶそうだ。

「刑務所では米やパスタも手に入るが、ラーメンはどんな食材にも合い、ピーナツバターやジャム、ヨーグルトを混ぜてもおいしいんだ」(アルバレス氏)

 アルバレス氏は銃器の所持で6年間の刑期を務めた後、2013年に出所。刑務所ですっかりラーメン研究家となり、15年には『刑務所ラーメン:鉄格子の中でのレシピとストーリー』という本まで出版した。

次のページ