幼少時から競技に親しめ、指導者と施設など競技環境の充実がカギなのか。勝ちに不思議の勝ちなし、メダリストに不思議のメダルなし、といったところか。

 大学別では、1位の日本体育大学が圧倒的な強さを誇る。体育の総合大学の名に恥じないほど、多種目でメダリストを輩出する。特に多くのメダルを獲得するのが体操だ。日体大(18個)とライバルの順天堂大学(13個)で、体操の大半のメダルを獲得している。

 女子レスリングは至学館大学(旧・中京女子大学)の独壇場だ。これまで日本にもたらされた16個のメダルのうち、14個が同大だ。今大会の代表選手は全員同大関係者。

「まさにレスリング界の“虎の穴”。メダルがとりたければここに入るしかない」(生島さん)

 柔道のメダル獲得は、東海大学、筑波大学を筆頭に、日本大学、明治大学、国士舘大学、天理大学など多岐にわたる。今大会は男女12個のメダルを獲得したが、東海大が4個(金2、銅2)を獲得。同大柔道部副監督は、井上康生日本代表監督でもある。

 前出の生島さんが最も注目しているのは、東洋大学。

「ブランディング戦略としてスポーツを軸に置いている大学。ここ最近のメダル獲得はその成果が出ているのではないか。今後メダルを増やしていく気配がある」

 4年後の東京に狙いを定め、早くも走りだしている。(本誌・吉崎洋夫)

■五輪メダル出身地別ランキング
順位 出身地 獲得個数
1 大阪府 46
2 東京都 40
3 神奈川県 30
3 福岡県 30
5 京都府 22
6 北海道 16
7 青森県 15
7 兵庫県 15
7 静岡県 15
10 埼玉県 13

■五輪メダル 大学別ランキング
順位 所属・出身大学 獲得個数   メダル獲得競技内訳
1 日本体育大学 54  体操(18)、競泳(10)、レスリング(8)、柔道(4)、ソフトボール(3)、女子サッカー(3)、陸上(2)、野球(2)、アーチェリー(2)、シンクロ(2)
2 日本大学   28  シンクロ(11)、競泳(5)、体操(5)、柔道(3)、レスリング(2)、野球(1)、セーリング(1)
3 東海大学  17  柔道(11)、陸上(2)、野球(2)、競泳(1)、女子サッカー(1)
4 筑波大学  15  柔道(11)、競泳(2)、女子サッカー(2)
5 順天堂大学  14  体操(13)、陸上(1)
5 近畿大学  14  競泳(10)、アーチェリー(3)、野球(1)
5 立命館大学  14  シンクロ(14)
5 至学館大学  14  レスリング(14)
9 明治大学   12  柔道(6)、卓球(3)、野球(2)、体操(1)
10 早稲田大学  10  競泳(6)、野球(3)、テコンドー(1)

 調査対象は、平成(1989年)以降の、バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオ(8月19日時点)の夏季7大会。出生地/出身地および大会出場時の所属大学/最終学歴を集計した

週刊朝日 2016年9月2日号

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