負けず嫌い、小心、努力する才能。リオデジャネイロ五輪の開幕を待つ女性アスリート5人の少女時代を写真と親の証言で振り返る!
■新体操 畠山愛理
小学校の卒業文集に「オリンピックに出たい」と記した畠山。2009年、中学3年で日本代表に選出され、12年のロンドン五輪で念願を果たした。団体戦でメダルを狙える今大会では、中心選手としてチームを引っ張る。
そんな畠山だが、代表選出直前には、競技を続けるかやめるか苦悩していた。母の聖子さんが語る。
「中学2年の関東ジュニア大会の演技中に大きなケガをしたんです。その後スランプに陥り、3年の関東での成績は散々。協会は推薦枠で全日本ジュニアの出場を認めてくれたんですが、『実力で上がれなかったのに、私が出ていいの』と悩み、毎朝泣きはらした顔で起きてきました。大会2、3日前に学校の保健室で先生に『もうやめたい』と号泣して訴えたそうです。先生は『これを最後に競技はやめなさい。最後なんだから、自分のためだけに演技をしなさい』と言ってくださいました」
その言葉に救われた畠山は今でも保健の先生を慕い、恩返しのためリオでの活躍を誓ったという。
■バドミントン 奥原希望
昨年のヨネックス・オープン・ジャパンとスーパーシリーズファイナル、今年の全英オープンで優勝。上り調子の奥原は現在、世界ランク3位に位置する。
「全てにおいて、負けず嫌いな子です」と語るのは、父の圭永さん。「幼い頃、手伝いをしてくれる時に、6歳違いの姉や3歳違いの兄と同じように重いものを持たないと気がすまなかったんです。勝てるはずのない百人一首でも、負けると悔しがっていました」
圭永さんは、小学3年のマラソン大会が忘れられないと言う。
「本人は優勝する気満々でした。スタート前、『用意』の声もかかっていないのに、希望一人だけが気合を入れて構えていたくらいです。でもスタートして10mくらいで靴が脱げてしまい、一番後ろを走ることになりました。その後、ものすごい勢いで巻き返し2位になったんですが、ワンワン大泣きをしました」
中学時代は合唱コンクールで勝ちたいため、練習を怠る男子に厳しく注意したことも。「手を抜くことができない子なんですよ」