気温と関係なく、手のひらやわきの下、顔などに大汗をかき、日常生活に支障をきたす発汗異常(多汗症)。国民の7人に1人が、こうした汗の悩みを抱えているという。中には他人に不快感を与えるのではという不安から、うつ状態に陥ることも。治療は塗り薬や注射だけでなく、新たな手術法も登場し選択の幅が広がっている。そもそも多汗症の条件とは? 治療法は? 東京医科歯科大学病院皮膚科学教授・横関博雄医師とNTT東日本関東病院ペインクリニック科部長・安部洋一郎医師に聞いた。
Q:どんな人が、多汗症といえるでしょうか。
A:「汗がたくさん出る糖尿病やバセドウ病などの基礎疾患がないのに、手のひらやわきの下、顔や頭、足底などに6カ月以上過剰な発汗がある人。そして、次の6項目のうち、2項目以上あてはまる場合を多汗症と診断します。
【1】最初に症状が出たのが25歳以下
【2】からだの両側に発汗がある
【3】睡眠中は発汗が止まる
【4】週に1回以上、多汗に悩まされる
【5】家族歴がある
【6】日常生活に支障をきたす
あてはまる人はかかりつけ医などに相談し、多汗症に詳しい皮膚科医や発汗異常外来を紹介してもらうとよいでしょう」(横関医師)
Q:わき汗がひどくて困っています。どう治療したらよいでしょうか。