小林さんは、
「近大は、業種を問わず、さまざまな企業に就職しています。関西地区のトップをはじめ、西日本に強い」
と話す。一方、明大出身者に1部上場企業の社長が多いのは、もともと1部上場企業に就職する人が多いからだという。
「現在の社長は1970年代入社組が多い。当時は明大に女子学生が少なかったため、女性社長も非凡な努力をした人たち。1部上場企業では、東大や早慶のほうが入社人数は多かった。その中で、明大出身者は経営中枢よりも営業や商品開発などで力を尽くし、出世したタイプといえるでしょう」
最後に、世界に目を向けてみよう。
英国の教育情報誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」の世界大学ランキングは、近大が世界601~800位にランクインしているが、残念ながら明大はランク外。URAP(University Ranking by Academic Performance)は、近大が世界712位、日本25位。明大が世界1468位、日本102位。
近大のURAPが上位の理由について同大広報部の石川誠一さんは、
「URAPは主に研究業績を重視します。本学では、がんの研究などの臨床医学や理工、薬学部などの論文の引用数が多いため、私大では慶應、早稲田、東京理科大、日大につぐ5位という高順位になっているのだと思います」と話す。
さまざまな工夫で、志願者を増やしている両大。人気は優秀な学生の呼び水となり、今後、教育、研究、就職支援などで、さらなる飛躍が期待されている。
※週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋