高校の進路指導教諭へのアンケート調査をもとにした「高校からの評価」では、明大が、「就職に力を入れている大学」「生徒に人気がある大学」で、1位だ。
「明大は、『就職に力を入れている大学』で、5年連続1位、盤石の強さです」(安田さん)
就職への強さは、大学選びに直結する。近大も、「学内業界研究会」「U・Iターン就職相談会」などを開催。さらに、「日本一就職の面倒見が良い大学」を目指して、4年次の12月時点で進路未定の学生には、担当職員がつき、徹底的に就職をサポートする。就業体験の促進にも力を注ぐ。
「十数年前に導入したインターンシップは、医学部と薬学部以外は単位認定をしています」(加藤課長)
学部新設やメディアへの露出などを支えるのが大学職員だ。大学運営のプロの彼らからの評価はどうか。全国449大学の事務局長からの評価は、両大学ともに高い。調査項目の「入試、広報」では、近大が圧倒的な強さを見せる。
「近大マグロ」「つんく♂プロデュースの入学式」のほか、「近大マグロの中骨のだしを使ったカップ麺」「うなぎ味のナマズ」など、商品企画にまでその力は及ぶ。
近年話題の国際化度を見ていこう。国際ボランティア参加学生ランキングについて、『大学ランキング』編集者で教育ジャーナリストの小林哲夫さんはこう話す。
「明大は、08年に設置した国際日本学部の学生をはじめ、海外志向が強い。それが反映されているのでしょう」
現在は明大が上位だが、新設の国際学部が人気の近大が、どこまで順位を上げていくかが注目されている。
外部からの資金の多寡は、産学連携の活発さなどを測る目安にもなる。奨学寄付金、受託研究費、共同研究費の総額である外部資金のランキングで、近大は私大では慶大、早大に次ぐ3位につける。小林さんは、「医学部と薬学部があるため、産学協同での研究や受託研究が多いからです」
例えば薬学部は昨年12月、「近大ブリ」コラーゲンを配合したヘアウォーターを企業と共同開発し、商品化した。
企業の社長ランキングに目を移すと、全企業ランキングで明大も近大もベストテンにランクイン。明大は1部上場企業、女性社長でもベストテン入りしている。