コーエーテクモゲームス社長 鯉沼久史さんこいぬま・ひさし/1994年に入社。「三國無双」「決戦」などを手がけたゲームクリエイター、プロデューサー。「ポケモン+ノブナガの野望」などのコラボ作品も手がけ、2015年4月からコーエーテクモゲームス社長(撮影/写真部・加藤夏子)
コーエーテクモゲームス社長 鯉沼久史さん
こいぬま・ひさし/1994年に入社。「三國無双」「決戦」などを手がけたゲームクリエイター、プロデューサー。「ポケモン+ノブナガの野望」などのコラボ作品も手がけ、2015年4月からコーエーテクモゲームス社長(撮影/写真部・加藤夏子)
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 来年のNHK大河ドラマ「真田丸」などの影響で平成の真田ブームが起こっている。真田幸村ら美形の武将が登場し、次々と敵をなぎ倒すゲーム「戦国無双」を作り、“歴女”を多く生み出した仕掛け人、鯉沼久史・コーエーテクモゲームス社長に真田家の魅力を聞いた。

──まず真田幸村の魅力についてお伺いします。

 私は最期の散り際が好きなんです。散る際の奇麗さ、儚さを評価するところは日本のいい文化だと思っていますので、「戦国無双」シリーズの幸村にはいつもその部分を背負ってもらっていると言えます。日本男児としての憧れを投影している部分もありますね。個人的に「戦国無双」の真田幸村は、ヒーロー戦隊もののレッド的なキャラクターとして考えています。だから常にかっこよく、すごく真っすぐで正義感も強いけど、周りから見ると「ん?」となるような飛びぬけちゃっている部分もある。男の子ってそういうキャラクターが好きじゃないですか。戦隊ごっこでは、そんなレッド役をみんなやりたがりますよね。幸村については居城となる上田城もいいですよね。上田城は街の中にある城なので、市街地でのゲリラ戦みたいな戦法を駆使して闘ったり、かっこいいんです。姫路城みたいな立派なお城も奇麗で好きなのですけれど。

──真田家は、幸村のお祖父(じい)さんの幸隆、お父さんの昌幸、お兄さんの信之と、家族もいいキャラクターが多いです。

 歴史好きからすると、幸村よりお父さんの昌幸が好きだという声も多いんですよね。私自身も昌幸は、いずれどこかの作品で手練(てだ)れた策士として登場させたいという思いはあります。

──「週刊朝日増刊 真田太平記」でも昌幸が活躍するシーンはかっこよくなっています。

『真田太平記』の漫画化ということですが、私も序盤は昌幸が狡猾に、どう真田家として戦国時代を生き延びてきたのかを、ぜひ読んでみたいです。「戦国無双」はアクションゲームなので、なかなかそういう外交や策謀といった部分は描けないんですよ。やはり戦場での出来事が中心になってしまうので。大名や武将の駆け引きやつながり、裏でこういうことをやっていたのか、というドラマチックな部分がどう描かれるのか、期待しています。

 私も時代で言えば、幸村の頃より昌幸の時代のほうが好きなのかもしれませんね。武田や上杉、北条などがそれぞれ活躍した時代なので……。

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