プロ野球選手たちは『さすがに八百長はマズい』とは思っている。だけど野球賭博についてはゲーム感覚で『ただ賭けているだけでしょ』と、罪の意識がない。背景には“賭け”が当たり前になっている感覚がある。特に巨人は麻雀でもゴルフでもレートが高くて、他球団の選手から『巨人の人間とやるのは怖い』と言われるほど。ゴルフの最終ホールのパット勝負で800万円握ったなんて話もあって、マヒしてますからね」

 事件発覚後、A氏は球界OBの関係者だとか、背後には暴力団がいるとか、うわさが駆け巡っている。「笠原は主力の某投手と非常に仲が良く、その投手にA氏を紹介していないわけがない」(球界関係者)の指摘もある。真相究明が待たれるところだが、「果たして本当にできるのか?」という疑念の声も聞こえてくる。

「今回の巨人の対応が非常にスピーディーだったことが、かえってトカゲの尻尾切りという印象。ギャンブル好きの福田だから、と問題を矮小(わいしょう)化させようとしているように思えて仕方ない」(前出のデスク)

 八百長はないといっても、ファンに疑念を抱かせた。球界の信用を失墜させたことは大きな“罪”である。

「自身が所属する巨人の試合に“賭けた”ことだけでも致命的なはずですが、崎コミッショナーは、永久失格処分を避けようとしているように思えてなりません。彼はリクルート事件にも携わった辣腕(らつわん)検事ですが、球界から見ると『読売さんが連れてきた人』。厳しい判断ができるのか」(同前)

 巨悪を眠らせるな。

週刊朝日 2015年10月23日号