夫:例えば特別養子縁組をする場合、養親が養子となる子どもを試験養育する6カ月間の「監護期間」は、育休の対象外でした。でもそれだと共働きの人にはチャンスがない。子どもにとっても、子どもを切に欲しいと思っている人にも不幸なことです。そこで全国で初めて三重県職員2万4千人を対象に、「監護期間」も育休として認めるようにしました。また今後、三重県では男女共同参画のなかでLGBT(性的少数者)に対する啓蒙を盛り込もうとしています。たまたま性同一性障害の友達が身近にいたことも大きいんですが、多様な性や家族のあり方が受け入れられる社会にしたいんです。男性の不妊治療への助成金も三重県が全国で初めてやりました。不妊の半分、48%は男性に原因があるんですから。そういう「本当のこと」をもっと知ろうよ、男性も変わらないといけないよ、と思います。
――妻もキャリアを生かし、講演や研修をするなど活躍中だ。
妻:これからもスポーツに関わることで、社会と接点を持っていければと思っています。ただ子どもの可能性を伸ばすには親の力が本当に大きい。私の両親がそうしてくれたように、今度は私が息子にそれをしてあげたい。その余裕と時間は持っていたいなと思います。
※週刊朝日 2015年9月25日号より抜粋