そんなことを考えるうち、どうしても食べたくなってきた。後日、登喜和へ。
赤くケチャップで炒められたご飯と鶏肉、上にはグリーンピース。ケチャップの甘みと酸味、そして鶏肉のうまみが口の中に広がる。中華料理店らしく、ミニスープもついてくる。
昭和22年開業、現在腕をふるう鴨田利通さん(73)が、2代目のご主人だ。
「俺も好きだからね、時々自分でも作って食べるんですよ」
と言うが、オムライスはそこそこ注文されるが、チキンライスは少ないという。
「サラリーマンのお客さんが増えましたね。客層も人気メニューも、時代によって変わってきてますよ」
なす辛みそ丼や肉ピーマン麺、マーボー丼など、パンチのある味が、最近の人気メニューだそうである。
(太田サトル)
※週刊朝日 2015年7月31日号