――そういうこともしてあげるんですか?
伊勢ノ海:それでも入らないこともよくあるんです。
一同:あります! 他の部屋へ行っちゃう。
伊勢ノ海:でも、角界に入ってもらったことをありがたく思わないと。とられたと思っちゃいけないんです。
尾車:だいぶ前の話ですが、家族みんなで出てきて、1泊で帰る予定がもうちょっと東京にいたいから2~3日泊まっていいですか?とホテルに泊まって、最終日になったら突然誰もいなくなっちゃったこともありました。
千賀ノ浦:それはちょっとさみしいですね。
――峰崎さんは?
峰崎:岩上という子は高校卒業後に自衛隊に入隊、縦社会の厳しさを学び、お相撲なら同じ縦社会でも頑張れば上に行けると自分で部屋に電話してきました。伊勢ノ海部屋の花井くんと同じ中学ですよ。
伊勢ノ海:えっ? 何も聞いてないです。何何君が怖いとか、そんなことばかり言ってて(笑)。
――いろいろな経歴があって来る子もいるわけですね。
峰崎:うちの都島(みやこじま)という子はホテルマンなどいろいろアルバイトをしてきたけど、「人生を変えたい」と入門してきました。相撲経験なし、体重68キロ。2年ぐらい勝ち越しがなかったんですけど、本人なりに生きがいを見つけたようです。
(※1入門は各部屋ごとに受け付け。その後新弟子検査に合格すれば力士になる。2014年の新弟子は87人)
(※2「ロボコップ」の愛称で親しまれた。最高位は小結)
※週刊朝日 2015年7月24日号より抜粋