文と久坂玄瑞(東出昌大)の祝言の場面。酔った高杉晋作(高良健吾)が「久坂のヤツ、文は不美人だから嫁には欲しゅうないと言っとったのに」と爆弾発言をして凍りつく一同。
その瞬間流れる効果音は「ヒューッ」という木枯らしの音に「ワオーン」という犬の遠吠え。昭和です、昭和のお笑い番組です。
ここ最近の大河ドラマは、「この支配からの卒業」と尾崎豊みたいな「平清盛」だったり、「本当に愛する人に嫁ぎたい」と戦国時代に政略結婚全否定の「江」だったりと、ことごとく歴史を破壊してきている。
でもこの「花燃ゆ」は、もはや大河ドラマですらない。松下村塾のパートを「幕末の学園ドラマ」とうたいあげ、「イケメン」を並べて打った宣伝が「俺ら松下村メン!」て。ラーメンつけ麺ボク松下村メンか。
なんだかもう見てるこっちが、いたたまれないよ。
大河ドラマにイケメンもセクシーも学園ドラマもいらない。ラブコメも妹萌えも「文は美人ちゅーわけじゃないが、かわいいところがないわけでもない」で、一話使う必要もない。
なぜ幕末動乱の火ぶたが切られたのか、そこが知りたいんだから。おにぎりとか、遠距離恋愛とか、愛のおみくじとか、そういうのは朝ドラでやってくれ!
※週刊朝日 2015年4月24日号