漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」を見ていると、「いたたまれない」気持ちになるという。その理由は……。
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「心の臓がキュッとして、ドキドキが止まらんくなるような」「その人のこと考えると稲妻が走ったみたいにビカッとなる」
いまだかつて大河ドラマのセリフで、こんなにも擬音が大安売りされたことがあるのでしょうか。しかもドキドキ。江戸時代にあったのか、ドキドキ。
制作側がキャッチコピーで「イケメン大河」だの「セクシー大河」だの言いだしたあたりから、もうダメ大河の予感しかしないわけで。「幕末男子の育て方。」なんて打ち上げても、ヒロイン文(井上真央)はおにぎりとお菓子を作ってるだけ。
そりゃしょうがない、文は幕末女子なんだから。歴史とその物語は、文と関係ない所で粛々と進んでいく。
一方お菓子を食べながら、母と姉は「ええお方と縁を結びたいもんです」とガールズトーク。松下村塾の塾生を婿候補にあげると、その顔がいちいちワイプ(丸枠)で抜かれるバラエティー演出に、大河ドラマの滅亡を確信する。来週にはADの笑い声が入ってるかもしれない。