動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県の猫たちを訪ねる旅。今回は犬と猫を祀(まつ)る、山形県の高畠町を訪ねた。
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猫が大根の緞帳を背に、脚立の花道で見得を切る。大根役者……ではない。
冬の寒風に大根をさらす「寒干し大根」は、うまみを凝縮した沢庵を作る知恵の保存食だ。山形県南東の高畠町は、全国でも珍しい猫と犬を祀(まつ)る神社がある。大蛇から主人を救ったという猫を祀った「猫の宮」のすぐ近くには、この地域でマタギ犬として飼われ、昭和初期に絶滅した「高安(こうやす)犬」が狛犬として祀られている「犬の宮」がある。
猫と犬が人と共に生きてきた歴史を想う。
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※週刊朝日 2015年2月27日号