自分が死んだら、夫婦一緒に夫側の先祖代々の墓へ――。そんな慣習が崩れつつあると指摘されて久しいが、最近、「墓はいらない」あるいは「夫婦別々で」という“新しい価値観”が広がってきている。
こうした意識変化は性別や世代によって違うことも含めて、本誌が今回実施した既婚男女千人へのウェブアンケートでも浮き彫りになった。20代・30代・40代・50代・60代以上と5つに区分し、それぞれ男女100人ずつから回答を得た。
アンケート結果で最も注目したいのは、設問「どんな墓に入りたいか?」に対する回答だ。
女性500人が1位に選んだのは「墓には入りたくない(樹木葬や散骨など)」で、実に3割近くが支持した。2位の「夫婦で新しく作った墓」とわずかな差だが、世代別でみると40代で4割以上、50代で3割以上とトップ。今の中高年女性たちの“墓不要論”は、現実を見据えた一つの選択肢として、今後も共感を集めそうだ。
一方、男性で圧倒的に多かったのは「自分の実家の墓」で、断トツだった。あらゆる世代の半数前後が選び、「妻は、うちの墓に一緒に埋葬されて当然」との認識が垣間見える。跡継ぎである長男の責任感も、いまだ健在なのだろう。
「誰と同じ墓で眠りたいか?」を複数回答で選んでもらったところ、男女ともに1位は「配偶者」だった。だが2位は、男性の「自分の先祖・親戚」(40.5%)に対し、女性は「子ども」(34%)と、明らかな違いが見られる。
※週刊朝日 2013年12月6日号