西武に復帰した松坂大輔 (c)
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 各球団の陣容もほぼ固まり、球春到来を待つプロ野球界。ここで改めて各球団の今オフの補強状況を整理。果たして、どのチームがどれだけ戦力をアップさせたのか。今季の戦力値の“上昇度”を独自に診断してみたい。今回はパ・リーグ編だ。

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■西武<戦力値5%ダウン>

 リーグ連覇を果たした西武。その原動力となった強力打線から今オフに秋山翔吾がメジャー移籍し、攻撃力のダウンは避けられない。その秋山の穴埋めとして、スピードがあって内外野を守れるスパンジェンバーグを獲得したが、彼がどこまで秋山の穴を埋められるか。そして2年連続リーグワースト防御率の投手陣では、新外国人として先発左腕のノリン、中継ぎ右腕のギャレットを補強。ドラフトでは1位の右腕・宮川哲、2位の左腕・浜屋将太は即戦力。そして14年ぶりの古巣復帰となった松坂大輔に注目。伸び盛りの若手が多く、現有戦力の底上げと“松坂効果”に期待したいが、現状では秋山のマイナス面の方が目立つ。

■ソフトバンク<戦力値5%アップ>

 3年連続で日本シリーズを制したソフトバンクだが、あくまでも目標はリーグ優勝からの日本一だ。今オフの補強の目玉は、NPB通算288本塁打を誇る前ヤクルトのバレンティン。そして投手陣では左の先発候補であるムーアを獲得した。その一方で、FAで貴重な戦力であった福田秀平を失った影響が心配。ドラフト1位の佐藤直樹、同5位の柳町達の新人外野手がどこまで存在感を見せられるか。ただ、投打ともに12球団トップと言える選手層を誇っており、補強の成否に左右されないチーム力を持っていることは確かだ。

■楽天<戦力値20%アップ>

 石井一久GMの下で改革を進める楽天。今オフはFAでロッテから実力者・鈴木大地を獲得。美馬学が流出したが、代わりに中継ぎで実績のある酒居知史を人的補償で獲得し、さらに元沢村賞右腕の涌井秀章を金銭トレードで手に入れた。長年チームを支えた嶋基宏に加え、西巻賢二、小野郁、ハーマンが退団し、今江年晶が引退したが、ドラフトで即戦力の俊足内野手・小深田大翔、そして前パドレスの牧田和久に新外国人右腕のシャギワを獲得。多くの血の入れ替えを行いながら投打に隙のない布陣を作り上げたと言えるだろう。

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