

42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。最近チビの言葉が増えてきたと喜ぶ水野さんだが、そのチビの言葉に衝撃を受けた理由とは……。
* * *
「ちょっとまてねー、いかないようにちてね」
「ママ、いかないよ! 抱っこ抱っこ!」
「ママ、おちごと、がんばったの?」
ちびの言葉は日々増えている。
母「オムツ変えようか」
ちび「オムツかえないよー」
母「お風呂入ろっか」
ちび「おふろはいなくないよ!」
何となく会話も成立するようになってきた。
もうすぐクリスマス。ちびは「サンタさん」を認識するようになった。
絵本の中のサンタさん。街中に飾られているサンタさん。
赤い服を着て帽子を被った、白いお髭のキャラクターは「サンタさん」であると学んだようだ。
しかしまだ、サンタさんがクリスマスにやってきてプレゼントをくれる、というところまでは結びついていない。
今年のクリスマスはまだ、パパからプレゼントを渡す予定だ。
来年の今頃は、そろそろサンタさんからのプレゼントを演出する頃合だろうか。
小一の姪は、「毛糸を編んで何でも作れるやつをください」と紙に書いて、七夕の短冊のようにツリーにぶら下げていた。
10代から一昨年まで、クリスマスを型どおりに祝うなんて小っ恥ずかしくて嫌厭していたもんだが、今やちびのためにと1カ月前にはツリーを飾り、満喫する気満々だ。
子供がくれるモチベーションはすごい。
多分我々は、ずっとサンタが来たと言い張り、ハラハラしながらプレゼントを枕元にセッティングするだろう。
自分が子供の頃、朝起きて枕元にプレゼントを見つけた時のあの何とも言えない嬉しさは、今でもはっきり残っている。
しかし、日々全力で世話をしている親よりも、年に1回、プレゼントを1個くれるだけでヒーローになれるんだからサンタはずるい。