「ここまでの成績は考えられない。夏場に戦列復帰しましたが、とくに打撃などはまったく別人のような形でスイングしていました。下半身の故障はかなり重症で、まだ引きずっているというのが大方の見解です。下半身の踏ん張りが全然効いていない。打撃では下で粘れないので、投球を追いかけるようなスイングになります。柳田のプレーを支えるのはすべてが強靭な下半身。肉離れはクセになりやすいので、しばらく時間はかかっても完治を目指して欲しいですが……」

 柳田の才覚はもはや日本の枠には収まりきれない。今年は故障の影響で期待を大きく裏切る成績でレギュラーシーズンを終えた。ただ、これまでの実績や、その大きなポテンシャルから、メジャー側の評価は決して下がっていないという。

 柳田はかねてよりポスティングでの早期メジャー挑戦を希望してきたが、球団側は基本的に認めていない。そのため、現状では海外FA権を取得する2020年オフまで待たなければならない。今年は不甲斐ない成績で悔しさも残ったため、本人も来年にきっちり借りを返し、すっきりした気持ちでアメリカに渡りたいという気持ちが強いだろう。しかし、ファンは一日でも早くメジャーで輝く『ギータ』の勇姿を見てみたいはずだ。

[AERA最新号はこちら]