メジャーへの挑戦が期待されるソフトバンク柳田悠岐 (c)朝日新聞社
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 1995年、野茂英雄がメジャーリーグに挑戦し、日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった。主に日本プロ野球界で活躍した選手たちがアメリカの門を次々とたたき、現在でもメジャーリーグに挑戦したいという気持ちを持つ選手は後を絶たない。

【写真】メジャーで意外に飛躍しそうな“いぶし銀”はこの選手

 2019シーズンも田中将大、ダルビッシュ有、前田健太、大谷翔平といった選手が第一線で活躍した。ただ、こういった顔ぶれからも一目瞭然だが、ベースボールの本場・アメリカでも輝いているのは投手ばかり。“二刀流”の大谷は唯一の存在であり、規格外すぎて別枠といえるが、日本人バッターの活躍が聞こえてこなくなって久しい。

 そもそも、歴代の日本人メジャーリーガーを振り返っても、野手で文句なくアメリカでも活躍のインパクトを残せたのはイチローと松井秀喜くらいだろう。多くの選手は一時的に奮闘した時期はあっても、日本時代と比較したら大きく見劣りする数字しか残せなかった。

 日本人野手にとってメジャーの壁は高すぎるのか。しかし、そんなさみしい現状を打ち破ってくれそうな選手がいる。スケールの大きなプレースタイルで日本トップクラスの長距離打者となったソフトバンクの『ギータ』こと、柳田悠岐だ。

 公称188センチ・92キロの立派な体格は日本人離れしており、松井秀にも引けを取らない。外国人にも勝るとも劣らない身体能力を誇る柳田であれば、メジャーリーグでもどでかい花火を打ち上げてくれるのではないか。多くのプロ野球ファンはそう期待していることだろう。

 では、長年にわたって日本人選手を見続け、数え切れないほどのスカウティングレポートを本国に提出してきた駐日MLBスカウトの目に柳田はどう映っているのか。

「ポテンシャルは飛び抜けています。飛距離に関しては松井氏より上なんじゃないか、と感じることもあります。ミートなどの確実性という部分では、NPB時代は松井氏が上だったかもしれません。ただ、あの大きな身体であれだけのスピードがあるのはスゴイ。フィールド内外でしっかり適応できれば、メジャーでもトップクラスの選手になれる可能性を持っています」

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