■ソフトバンク(パ・リーグ2位)

補強ポイント:長打が期待できる中軸候補

 クライマックスシリーズは勝ち上がったものの、レギュラーシーズンは西武に競り負けて2年連続の2位に終わった。巨大戦力と言われ、選手層の厚さはさすがというところはあるものの、将来を考えると綻びが見え始めている。まず何より不安なのが野手の世代交代だ。内川聖一、松田宣浩は大ベテランの域に差し掛かっており、柳田悠岐も故障での離脱が増えている。中軸候補として期待された上林誠知、真砂勇介も伸び悩んでおり、若手で元気なのはリードオフマンタイプばかりという状況だ。一昨年は増田珠、昨年は野村大樹と水谷瞬と高校生の野手を積極的には指名しているものの、上位指名ではことごとく抽選を外したこともあって、大物感に乏しい印象は否めない。来年デスパイネとグラシアルの外国人が不振に陥るようなことになると、一気に得点力不足になる危険性もあるだろう。

 強いホークスを作った礎となったのは大物野手を積極的に獲得したドラフト戦略である。特に井口資仁、松中信彦、柴原洋の三人を上位で獲得した96年のドラフトが大きかったが、これに近いことを目指す時期に来ている。当時に比べると戦力は充実しているだけに、高校生を狙いたい。例えば石川昂弥(東邦)、井上広大(履正社)の超高校級打者二人を上位で指名し、3位で菊田拡和(常総学院)、紅林弘太郎(駿河総合)のいずれかを指名するというのはどうだろうか。投手陣はリリーフに不安はあるものの、若手にまだまだ成長が期待できる選手は多いだけに、無理して上位で大物を獲得する必要性は感じない。1位から4位まで野手というような思い切った指名も選択肢として十分に考えられるだろう。

■西武(パ・リーグ1位)

補強ポイント:リリーフ陣の整備。将来の中軸候補

 菊池雄星、浅村栄斗の投打の主力が流出しながらリーグ連覇を達成した。リーグ最下位の防御率の投手陣を強力打線がカバーするという戦い方は昨年と同じで、森友哉が首位打者、山川穂高がホームラン王、中村剛也が打点王と主要打撃タイトルをそれぞれ違う選手が獲得しているというのは凄いという他ない。普通に考えればドラフトでは弱点である投手を補強するというのがセオリーだが、年齢構成を考えるとそう簡単ではない。不動のリードオフマンである秋山翔吾がFAで移籍する可能性があり、また中村、栗山巧の二人は来季で37歳と年齢的な衰えが気がかりになっている。

暮らしとモノ班 for promotion
「プラレール」はなぜ人気なの?鉄道好きな子どもの定番おもちゃの魅力
次のページ
西武が外れ1位で指名して面白い選手は?