若手で元気なのは森くらいで、二軍まで見てもどのポジションも手薄な感じは否めないのだ。一方の投手は高橋光成、今井達也が苦しみながらも一本立ちする気配があり、今年は不振だった多和田真三郎や松本航もまだまだ成長が期待できる。昨年2位で獲得した渡辺勇太朗も楽しみな存在だ。リリーフ陣の手当は必要だが、少なくとも先発は将来を考えてもそれなりのコマは揃っていると言えるだろう。

 1位は佐々木、奥川、森下の誰かになりそうだが、23歳前後に主力が揃っていることを考えると高校生の方が望ましいように見える。いずれにしても抽選の可能性が高いため、ポイントとなるのは外した後だ。思い切って外れ1位で狙うのに面白いのが佐藤都志也(東洋大)だ。キャッチャーは森がいるが、打撃の負担を考えると休ませながら使いたい。佐藤は捕手だが内野、外野も守れ、打撃と走塁にも特長がある選手。森と佐藤を捕手として併用しながら1年を戦えば、攻撃力の低下を防ぐことができるだろう。また3位以降では菊田拡和(常総学院)、紅林弘太郎(駿河総合)などの強打者タイプの野手も狙いたい。投手ではリリーフの優先度が高い。宮田康喜(日本製鉄広畑)、伊勢大夢(明治大)、津留崎大成(慶応大)などは球威があり、西武に不足しているタイプだけに積極的に狙いたいところだ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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