リーグ優勝を決め、辻監督を胴上げして喜ぶ選手ら(c)朝日新聞社
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三回表西武無死一塁、本塁打を放った山川は、ベンチ前でポーズを決める(c)朝日新聞社
三回表西武無死一塁、本塁打を放った山川は、ベンチ前でポーズを決める(c)朝日新聞社
古巣の活躍は、菊池雄星の耳にも届いているはずだ(c)朝日新聞社
古巣の活躍は、菊池雄星の耳にも届いているはずだ(c)朝日新聞社

 プロ野球パ・リーグの埼玉西武ライオンズは24日、千葉ロッテマリーンズに12-4で勝利し、2年連続23度目(西鉄を含む)のリーグ優勝を決めた。

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 開幕前の評価は、けして高いものではなかった。昨年127打点で打点王に輝いた浅村栄斗のFA移籍、そしてエース菊池雄星のメジャーへの挑戦。相次ぐ主力の離脱でチーム状況は決して万全とは思えなかった。そんな前評判を覆し、12球団トップの743得点(9月23日時点)をあげる圧倒的な打力を武器に優勝を勝ち取った。

 一方で、同じく主軸の丸佳浩が抜けた広島東洋カープは優勝を逃した。両チームの明暗をわけたものとは――。人事戦略のコンサルティングを手がける、SAPジャパンの南和気氏に、組織論から見る見解を聞いた。

*  *  *

「西武と広島のチーム構成は似ています。どちらも突出したエース・四番など、特定の選手に依存しないチーム作りをしている。例年、主力級の選手が他球団へ移籍するなかで、空いたポストに若手選手を起用し、毎年違う選手が台頭しています」

 西武は今年、浅村、菊池以外にも炭谷銀仁朗が読売ジャイアンツに移籍した。17年オフには、その年11勝を挙げた野上亮磨が同じくジャイアンツへ、中継ぎの柱だった牧田和久もパドレスに移籍した。16年オフにはその年に通算100勝を達成した岸孝之が東北楽天ゴールデンイーグルスへ。近年、主力級の流出が相次いでいる。

 対する広島も、数々のスター選手が全盛期に他球団へ移籍している。代表的なのは江藤智(ジャイアンツ)、金本知憲・新井貴浩(阪神タイガース)らだろう。昨オフには菊池涼介がメジャー移籍を表明している。

 そんななか、西武は森友哉、広島は西川龍馬など、若手が見事な活躍をみせている。

「活躍する選手が毎年変わるようなチームは、長期間強さを発揮する傾向にあります。『パルテノン型組織』と呼ぶのですが、一つの柱ではなく、複数の柱で組織を支えているからです。本塁打を50本打つ選手がいなくなっても、15本打つ選手を4人育てればいい、20勝する投手がいなくても8勝する投手が4人いればいい。こうしたチームは、ケガ人がでても影響を受けにくく、特定の選手の好不調にも左右されないので、チームの成績が安定します。これは企業も同じで、絶対的なエースがいると、他に出番がなくなる。若手の成長機会が奪われるともいえるのです」

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企業も見習うべき!「強みで勝つ野球」とは