今回、日本代表に現役の学生が1人も選ばれなかったのもさびしい。前回大会では早稲田大の藤田、筑波大の福岡堅樹が活躍した。福岡は今回も引き続き出場しており、俊足を飛ばしてのトライゲッターとして期待されている。
歴代のワールドカップ日本代表はどうだろうか。なかなか興味深いランキングであり、大学ラグビーの歴史、日本のラグビー史を垣間見ることができる。上位10校の特徴、輩出選手を見てみよう(カッコ内がワールドカップ代表選手に選ばれた年)。
1位同志社大。第1回大会(1987年)は8人、第2回大会(1991年)では6人も名を連ねている。平尾誠二(1987、91、95年)、大八木淳史(1987、91年)、林敏之(1987、91年)、萩本光威(1987年)などだ。同志社大が1982~84年度、大学選手権3連覇を果たしたころの主力メンバーが中心となっており、いまの帝京大に似ている。当時、彼らの多くが神戸製鋼に勤めていた。萩本は2004年に日本代表監督になっている。彼ら大学日本一世代が引退した2000年代以降、代表に選ばれる選手は少なくなった。大学選手権優勝4回。
2位早稲田大。第3回大会(1995年)で今泉清(1995年)、堀越正巳(1991、95年)、増保輝則(1991、95、99年)といったスター選手が選ばれた。今泉、堀越は大学日本一の経験がある。増保が日本代表に選ばれたのは19歳3カ月のときで、当時の最年少だった。明治大とともに、第1回から今大会までの9回すべてで代表を送り出しており、ラグビー伝統校のプライドを守り続けている。なお、8回は関東学院大と東海大。7回は法政大と大東文化大となっている。大学選手権優勝15回は最多。
3位明治大でもっとも活躍したのが元木由記雄だ。学生時代から日本代表として活躍し、ワールドカップ日本代表に4回(1991、95、99、2003年)も選ばれている。1980~90年代、早明ラグビー人気を支えたのが元木と吉田義人(1991年、95年)、早稲田の今泉、堀越らだった。国立競技場に5万人以上の観客を集めた。2019年大会のスタンドオフ、田村優は前回に引き続いての出場となる。斉藤祐也(2003年)はオリンピック水泳金メダリスト、岩崎恭子と夫婦だったことがあり、TBSドラマ「ノーサイド・ゲーム」に出演していた。大学選手権優勝13回。
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