森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表
森田麻里子(もりた・まりこ)/1987年生まれ。東京都出身。医師。2012年東京大学医学部医学科卒業。12年亀田総合病院にて初期研修を経て14年仙台厚生病院麻酔科。16年南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。17年3月に第一子を出産。小児睡眠コンサルタント。Child Health Laboratory代表
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(写真はイメージ/Getty Images)
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は、自身も1児の母である森田麻里子医師が、「メディアと子どもの関係」について「医見」します。

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 もうすぐ夏休みも終わり。子どもたちにどう時間を過ごさせるか、四苦八苦しているママ・パパも、ようやくゴールが見えてきた頃ですね。今回は、子どもたちのスマホやテレビ、ソーシャルメディアとの関わりについて、新たな研究結果をご紹介したいと思います。

 以前より、テレビやスマホ、タブレット等のメディアが子どもに悪影響を与えるという研究は多数あります。WHOのガイドラインでも、メディアの利用は2歳からにし、4歳までは1日1時間以内にすることが推奨されています。とはいえ、このような正論を聞かされすぎて、耳にタコができそうになっているママ・パパも多くいらっしゃるでしょう。しかし、メディアで何を見せるのか、その内容まで踏み込んだ研究はそれほど多くありません。

 幼児とメディアの関係については、以前にも、『「子どもにテレビやタブレット」は良いか悪いか? ママ医師の見解は…』という記事でご紹介しました。私自身、タブレットを見せること自体の悪影響が大きいと言うよりは、その内容が重要なのではないかと考えています。上手にメディアを利用できるお子さんなら、良い教育コンテンツを探して利用してみることで、好ましい影響があるかもしれません。

 もちろん、全員がそうすると良いとは限りません。適切な内容のコンテンツを、時間を区切って幼児に与えるというのは、実際には困難なことも多いです。一度見始めたら、なかなか子どもは自分から終わりにすることはできません。我が家でも、まだ幼い息子にタブレットを上手に利用させることが難しく、今は日常的には見せないことで落ち着いています。メディアと子どもの関わりは、家庭の状況や子どものタイプにもよって違いますから、各家庭でルールを決めておくのが大切です。

 それでは、ある程度の判断力も備わってきた思春期の子どもには、メディアはどんな影響を及ぼすのでしょうか?

 先月、3826人の中学1年生を4年間追跡して、メディアを利用する時間とうつ症状の関連を調べたカナダの研究結果が発表されました(※1)。それによると、フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアを利用する時間が多い人ほど、1時間あたり0.64点ずつ(28点満点)、うつ症状のスコアが増えることがわかったのです。利用時間自体も年ごとに増えていて、調査の最初の年では1日1時間半以内の生徒が多かったのですが、4年目には1時間半を超える生徒も多くなっていました。

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自尊心とうつ症状の関連性