グローバルコースでは、将来性や潜在性を評価する「Grow-up エントリー」と、アクチュアリー・金融工学、資産運用、IT戦略やイノベーションなど専門性を評価する「Spec エントリー」の2種類があります。「Grow-upエントリー」で入社後は、海外での勤務を含めたジョブローテーションによって、10年間に二つから三つの異なる仕事・職場を経験することになります。

 今後、欧米のようなジョブ型採用が増加すると思いますが、そこは終身雇用などの日本固有の雇用形態や労働契約とセットで考えられるべきです。VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity :曖昧性)の時代と称される今、従来にないスピードで世の中は変化しており、そうした変化にも柔軟に対応できる一定の汎用性も必要だと考えています。

 一括採用といっても、学生さんにとってはインターンシップもあるので、就業体験を通して事前にいろいろ考えているはずですから、必ずしも短期間とはいえないと思います。また、当社も実施していますが、数は少ないにしても、留学からの帰国者などのために秋採用を行う企業も増えていると思います。

 一括採用も合理性が高いのですが、その1回の選考にタイミングが合わなかったり、失敗したらそこで終わり、では不公平ですよね。だから、6月に続く秋採用、そして卒業後の新卒採用などチャレンジする複数の機会を作ることには賛成です。

 保険業界も昔に比べて大きく変わってきました。AIやビッグデータを活用しながら、クライアントと一緒に新しい事業を立ち上げるビジネスも行っています。自ら考え、発信し、物事を変革できる力を持った人に来てほしい。そのためには、社会的な課題や問題などに敏感になること。みんなが何に困っていて、何を求めているのかに目を向ける、そんな意識に基づいた勉強が必要だと思います(談)。

【味の素】
新卒一括採用がどう変化してもグループポリシーに基づく採用を行う

「味の素」人事人財開発グループマネージャー 福永貴昭さん

 経団連加盟企業が順守すべき指針を守っていない現状を残念に思っています。また、同時に、「オワハラ」(強引な内定拘束)が増加していることに対して、採用に携わる者として、指針問題同様に学生の「選択の自由の権利」を損なう現状を懸念しています。

 これまでの「採用選考に関する指針」を経団連に代わって政府が管掌するようになり、それから後はどうなるかまだ分からないので、すべては検討中の段階。ただし、採用の複線化・多様化についてはポジティブに捉えています。

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