うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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うちの息子は、あまり「ご飯大好き!」という子どもではありません。自分が考えていた男の子は、常に、「おなか減った!」「お肉が食べたい」と言っているイメージだったのですけれど。まだ5歳だからかもしれませんが、お肉もさっぱりした鶏肉しか食べません。
スマートフォンアプリの「鬼から電話」で、ゾンビが「ご飯を食べない子のところにいくぞ」と脅かしたり、『いちにちじごく』という絵本で「ご飯の途中で遊んでいる子が落ちる地獄」のページを見せたりすれば、急いで食べるのですが……。
あまり「ちゃんと食べなさい!」と言われると、心理的リアクタンスが働いて、余計食べたくなくなるものです。
実際、私は子どもの頃にかなり小食だったのですが、「ちゃんと残さず食べなさい」とか、学校で、「給食を食べ終わるまで遊んではいけない」と言われるのが、ものすごく苦痛だった記憶があります。その影響が残ってしまい、かなり大きくなるまで、「食事は義務」くらいに思っていたことがあります。
■小児科の先生に相談して言われたこと
本来なら、ご飯は楽しんで食べるのが理想です。「食べなくてはいけないと思いながら食べるなんて、人生の楽しみの一つを捨てている」と言われたことがあります。そして今は、私もそのとおりだと思えます。だからこそ、幼少期に食事に嫌な気持ちをもたせないことは、重要だと思います。
そこで小児科の先生に相談してみたのですが、やはり「子どもが嫌がるようになるくらいなら、ご飯は無理やり食べさせなくてよい」と言われました。「人間は本能で、必要なぶんの栄養素は食べようとするから大丈夫」「成長曲線からはみ出さなければ様子見でいい」のだそうです。