19年5月現在、「鵡川~様似間の鉄道による復旧」「日高門別~様似間のバス転換」「鵡川~様似間全線のバス転換」の3案について、JR北海道と地元7町との個別協議が続いている。
根室本線東鹿越~新得間41.5キロも2016年8月の台風で、長期不通が続いている。JR北海道はこの区間を含む富良野~新得間81.7キロの廃止を、沿線自治体に申し入れた。こちらも地元との協議が続けられており、東鹿越~新得間には代行バスが運行されている。
途中の幾寅(いくとら)は、1999年公開の浅田次郎原作・高倉健主演映画「鉄道員(ぽっぽや)」で「幌舞(ほろまい)駅」のロケ地となった。駅舎は地元の人たちによって整備され、当時の小道具などが保存されている。駅前広場には「キハ12」として登場したキハ40形気動車のカットボディーも置かれている。
“乗りたくとも乗れない”廃線危機の2路線と、20年5月までは乗れる札沼線。そして、先行き不透明な留萌本線。国と北海道はいずれも廃止を容認しているとされ、今後の4路線存続への見通しは、決して明るいものではない。(武田元秀)