また、これまで「尼神インター」や「祇園」が1年ずつレギュラーを務めてきたMBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して」の若手枠を昨年4月から担当してきたが、今年4月から異例の2年目に突入した。人間関係が密で、非常に出演者やスタッフも距離が近いラジオの世界で、これまでになかった長期レギュラーを勝ち取ったことが二人の人間性を色濃く示してもいる。
「どちらも素直で、一生懸命さがストレートに見て取れます。ややもすると、芸人さんにとってはそこが奥行きや面白みのなさにつながってしまう場合もありますが、特にツッコミの肥後さんが普段のトークではつっこまれシロ満載というか、そこの“ダメさ加減”も実に良い味になっています。どちらか一人がかわいげあるというのは、これまでもよくありましたが、コンビ揃ってというのはなかなかないパターンです」(番組制作スタッフ)
もう一組は、今年3月に「第8回ytv漫才新人賞決定戦」で優勝した「からし蓮根」。ともに熊本県の出身で高校の同級生だった伊織と杉本青空が2013年にコンビを結成した。
漫才でも熊本の方言がベースになり、それが何とも言えないかわいげも生み出しているが、もう一つかわいげを担保しているのが伊織のアルバイト先だ。デビュー直後からオール巨人がオーナーを務める大阪市内のスナックに勤務。「自分が来ている服もプレゼントできるし、体の大きな子に来てもらいたい」という巨人のオファーと身長190センチの伊織が合致しての採用となった。
「巨人さんもすっかり伊織を気に入っていて食事にも頻繁に連れて行っていますし『方言を出すスタイルは認められるまでに時間がかかるけど、貫けば必ず道ができる。だから、辞めたらアカン』と後押ししています。厳しさでも有名な巨人さんがそこまで認めるということが、いかにかわいげがあるかを物語っています」(関西を拠点に活動する構成作家)
時代は変われど、人が人を選ぶ基準が大きく変わることはない。まずは周りの人間を笑顔にする若者が、のちのスターになっていく。令和でも、その構図が崩れることないと確信する。