大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医
大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医
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※写真はイメージです(写真/getty images)
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 足の裏にはいくつか似たような「できもの」ができます。代表的なものが、タコ、うおのめ、イボです。これらの違いはなんでしょうか? 京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、三つの違いを解説します。

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 医学部を卒業し、医師国家試験に合格すると医師免許が与えられます。病院で働く「研修医」と呼ばれる若手の先生も、医師免許を持った立派な医師です。そこから修業を積み、専門医になるためには、皮膚科では少なくとも5年のトレーニングが必要になります。研修規程を全てクリアし、専門医試験に合格すれば晴れて皮膚科専門医です。医学博士となるには、また別の勉強が必要です。多くの場合、医師として働きながら大学院に入学し、博士論文を書いて厳しい学位公聴会をくぐり抜けなければ医学博士にはなれません。一人前の医師になるためには、勉強と研修の連続です。

 医学博士という資格は、学問としての医学に向き合った証明であるといえます。論文を批判的に読む。この姿勢は医学博士を取得する過程で身につける大切なスキルです。科学的に正しい手法で証明された論文なのか、思い込みや他の要因が加わった結果、解釈がねじ曲がっていないか、自分の頭で考え判断することができるのが本来の医学博士です。しかし、医学博士をもっていれば安泰というわけではありません。博士号は「足の裏の米粒」。取らないと気持ち悪いけれど、取っても食えないという意味です。

 前置きが長くなりました。今回は専門医や医学博士の解説ではなく、足の裏の米粒。いいえ、足の裏のできものです。

 足の裏にはいくつか似たようなできものができます。代表的なものが、胼胝(べんち)と鶏眼(けいがん)と疣贅(ゆうぜい)です。皮膚科で研修を受けると、まずこの三つの違いを勉強します。

 まず胼胝。これは一般的にタコと呼ばれるものです。指にできるペンだこを想像してもらうとわかりやすいと思いますが、同じ場所に刺激を受け続けるとできます。足の裏にタコができる人は、そのタコの部分がずっとなにかに当たっていたということです。例えば、歩き方が悪く、脂肪が少ない部分が当たるとタコができやすい。すでにタコができてしまった場合、靴底を軟らかいものに変えることが大事です。軽度であれば貼り薬のスピール膏を数日貼りっぱなしにするだけで、タコが軟らかくなって痛みが和らぎます。厚くなってしまったタコは削って治療するのが一番です。自分で削る場合は誤って傷をつけ、ばい菌が感染する危険性があります。皮膚科専門医に削ってもらうことをおすすめします。

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イボはウイルス感染が原因