では、離婚する必要がなかったかというと、それは違います。離婚した方がいい理由がありました。それについては、本できちんと書きました。

──「元ビリギャル」として、現在はどのような活動を?

『ビリギャル』が出版されてからは、年間80~100回の講演会を続けています。

 そのなかで一つ気づいたことがあります。子供たちは、その子の持っている能力に人生を左右されるのではなく、「環境に左右される」ということです。

 私って、ただただラッキーだった。高校時代にギャルだった時も、すべてを肯定してくれる母がいて、坪田信貴先生(注:『ビリギャル』の著者)と出会って慶応大を目指すようになり、見えない力に導かれるような感じで「死ぬ気で頑張る」という経験ができ、合格し、どんどん世界を広げることができました。

──やる前からあきらめている人が多すぎると。

 よく「ビリギャルって元々、頭良かったんでしょ?」なんて言われますが、私の通っていた学校で、名前の知られている大学に進学する子はほんの一握りなんです。しかも、そのほとんどが指定校推薦。当時、私がいたコースから一般受験で慶応に受かるなんてことは、前代未聞のことでした。

 だから、今の高校生たちも「慶応なんか受からない」と最初からあきらめないでほしい。それは、可能性を閉ざすことです。やるか、やらないか、その分かれ道をどっちに行くか。その選択の方が、地頭の良さよりも、大きな違いになるんですよね。

──誰でもビリギャルになれますか?

 なれます。以前、テレビ番組で社会学者の古市憲寿さんと一緒に出演した時に、こんなことがありました。司会をしていた嵐の二宮和也さんが「ビリギャル、すごいですよね」と話すと、古市さんが「何がすごいか僕にはわかりません。僕の周りにはこういう人、うじゃうじゃいるので」と話していたことがありました。

 ほんと、古市さんの言う通りなんです。有名大に行った人は、みんなすごい努力をしているんですよね。私だけじゃなかった。周りを見ても、私以上に頑張って慶応に入った子はたくさんいました。

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