米軍人を装って、SNSで知り合った女性ら3人から計約880万円をだまし取ったとして、福岡、埼玉両県警は1月22日、ナイジェリア人の男3人とカメルーン人の男1人を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。
その手口は「国際ロマンス詐欺」と呼ばれるもので、日本だけでなく、欧米でも横行しており、国際的にも社会問題化しているという。
「たいてい、FACEBOOKなどのSNSでアメリカ軍の軍人もしくは、軍医、従軍のカメラマンだと自己紹介。メッセージをやりとりするうちに、親しくなり結婚しようともちかける。その後、戦場で撃たれて、重傷だ、病院の費用が必要だというパターンか、米軍から除隊するには金がかかると言って、国際送金させる手口です」(捜査関係者)
筆者は2年前にその被害にあったAさん(43)に話を聞くことができた。
独身で会社勤めのAさん。旅行が趣味で海外にも多数の友人がいる。そのつながりで、ジョンという米軍の軍人と名乗る男性と知り合ったという。
「最初、アメリカ軍の軍人で戦場に行くための準備中だと丁寧な自己紹介が書かれていた。それから、毎日、GOODMORNING とか挨拶がはじまりました」
当初、Aさんは会ったこともない男性にはなんの関心も持たなかった。
ただ、軍人という職業については興味をひかれるものだった。そこで、何度かやりとりをするうちに、軍の仕事について尋ねてみた。
「実際に戦場に行く準備をしている。毎日、訓練が続いています」というメッセージと一緒に、ライフルなどの武器を手にしてジョンが立っている姿の写真も送られてきた。
「機関銃はすさまじい音と振動で、体力がなきゃどうにもならない」などとコメントもついていた。
AさんはSNSでやり取りするうち、ジョンに惹かれるようになった。というのも、まだ独身のAさん。ジョンは知り合って3日後くらいから
「キミのことが他人には思えない」
「神がキミとボクを引き合わせてくれた」
などとメッセージを送り、最後に必ず、「I LOVE YOU」とハートマーク付きのメッセージを送ってきた。