リベロとして輝きを放っている長谷部(写真:getty images)
リベロとして輝きを放っている長谷部(写真:getty images)
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 2018-19シーズンのドイツ・ブンデスリーガは現在第17節を消化した時点でウィンターブレイクに入り、現在は1月18日から再開する第18節に向けて、各クラブは強化キャンプなどを張り、チーム強化に勤しんでいる。

 今季のブンデスリーガでは7人の日本人選手がプレーしている。まずは、その選手たちの前半戦を終えた時点での成績を整理してみよう。

MF香川真司(ドルトムント)
2試合0得点

DF長谷部誠(フランクフルト)
11試合0得点

FW大迫勇也(ブレーメン)
14試合3得点

FW浅野拓磨(ハノーファー)
7試合0得点

MF原口元気(ハノーファー)
14試合0得点

MF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)
12試合1得点

MF久保裕也(ニュルンベルク)
11試合0得点

 まず、前半戦で最も際立った活躍を見せたのはフランクフルトの長谷部だ。

 今季のフランクフルトはバイエルン・ミュンヘンの指揮官に就任したニコ・コバチ前監督に代わり、新たにオーストリア人のアディ・ヒュッター監督が就任してスタートを切った。その中で長谷部は当初、4-2-3-1システムの導入を目論むヒュッター監督のチーム構想の中でポジションを失いベンチへ回っていた。

 しかし、リーガ開幕から1勝2敗とスタートダッシュに失敗すると、ヒュッター監督は前任のコバチ監督が用いた3-1-4-2システムへの回帰を決断。ここで長谷部がリベロのポジションで先発に復帰すると共に、フランクフルトは快進撃を開始してリーガではボルシアMG、ライプチヒ、バイエルンなどと共に首位のドルトムントに一時は肉薄し、UEFAヨーロッパリーグでもグループリーグでマルセイユ(フランス)、ラツィオ(イタリア)などを退けて早々に決勝トーナメント進出を決め、一気にチーム状態が安定した。

 リベロでプレーする長谷部はチームの最後尾で広角な視野を駆使しつつ、ボランチでの経験を生かした巧みなパスワークで攻撃起点になる。また、抜群の危機察知能力でエリアをカバーして相手の侵入を防ぐと共に、味方選手へのフォローも迅速なのが特徴だ。元々、長谷部のリベロポジションの素養を見抜いたのはコバチ前監督だったが、ヒュッター監督もまた、公式戦を消化していくうちに彼の能力を把握して、今ではチームに欠かせない中軸として評価している。

 その長谷部がすでに決勝トーナメント進出の決まっていた状況の2018年12月13日、ヨーロッパリーグのラツィオ戦で左太ももを肉離れして戦線離脱すると、ヒュッター監督は「もちろん、後から別のやり方を選べば良かったとはいくらでも言える。ただ、前もって何が起きるのかはわからない。マコトのこの時期の不在はもちろん非常に悔しいことだ」と述べ、チームへのダメージを懸念したほどだった。

 その長谷部の太ももは順調に回復しつつあり、リーガ再開の第18節・フライブルク戦での先発復帰はほぼ間違いないだろう。前半戦最後のゲームとなった第17節・バイエルン戦で0-3と完敗したチームにとって、長谷部の帰還は間違いなく追い風になる。

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大迫勇也と香川真司は…