その他の日本人選手たちは、それぞれの所属チームが成績を落とす中で試行錯誤が続いている。

 前半戦を来季2部降格圏の17位で折り返したハノーファー所属の原口と浅野の2人は、なかなか改善されないチーム状況に苦慮し続けている。原口は純然たる主軸として主に3-4-1-2の右サイドを務めているが、試合状況によっては4バックにシステム変更した際にサイドバックでプレーすることもある。そうなれば必然的に彼の役割は守備に重きを置くわけで、そのポテンシャルを十全に発揮できなくなる。もとより、彼の最適ポジションは左サイドで、現況では本来のストロングポイントを標榜できないのがもどかしい。

 一方、浅野の場合は2度に渡るケガで戦線離脱を繰り返しながら、2トップやトップ下でのプレー機会を与えられる中でノーゴールが続いている。それでもハノーファーはチームの得点源だったニクラス・フェルクルークがケガで今季絶望となったことで、後半戦は一層浅野へ期待を寄せるだろう。浅野としては、アンドレ・ブライテンライター監督が志向するシステムの中で2トップの一角、もしくはセカンドトップ的役割を担い、まずはできるだけ早く今季初ゴールを決めて波に乗りたい。

 前半戦で最下位に低迷したニュルンベルクの久保は自身も暗いトンネルの中を抜け出せないでいる。今季、電撃的にベルギーのヘントからニュルンベルクへレンタル移籍した彼は、ミヒャエル・ケルナー監督の信頼を受けてトップ下を任され、何度もゴールチャンスを得ながら、それを決められないでいる。結果を得られない中で彼自身のパフォーマンスも、チーム成績も停滞する状況は厳しい。このまま成績が伸び悩むようだと、ケルナー監督の去就問題に発展する可能性もあり、そうなればチームは再構築を迫られ、久保自身の立場にも変化が生じるだろう。

 最後に、シーズン序盤の苦戦から徐々に調子を上げてきているのがデュッセルドルフの宇佐美だ。昨季ブンデスリーガ2部でクラブの1部昇格に貢献した彼はシーズン開幕当初、ロシアワールドカップ出場によるオフ取得と、所属元であるアウグスブルクがデュッセルドルフへのレンタル移籍延長を決断するまでに時間を要したことでチームへの合流が遅れ、控えからのスタートを強いられた。しかし、すでに彼の能力を把握済みのフリートヘルム・フンケル監督は長期的な視野で宇佐美のコンディションを見極め、前半戦中頃あたりから彼を4-4-2の左サイドで先発起用する機会が増えた。

次のページ
上昇気流に乗りつつある宇佐美