また、長谷部に次いで所属チーム内で立場を確立しつつあるのは、今季ブンデスリーガ2部に降格したケルンからブレーメンへ移籍した大迫勇也だろうか。ブレーメンは昨季途中に就任した36歳のフロリアン・コーフェルト監督が試合ごとに異なる戦略を練るため、各選手が様々な役割を課せられる。大迫も例外ではなく、4-1-2-3というベースシステムがある中で、彼は左右のウイング、インサイドハーフ、時にはボランチの位置でプレーするなど、多岐に渡るタスクを担っている。
ただ、大迫自身が最も希求する1トップはチームキャプテンであるマックス・クルーゼが起用されていて、1試合の中で大迫が得るゴールチャンスは限られている。それでも第2節・フランクフルト戦、第9節・レバークーゼン戦、そして第13節のバイエルン戦でゴールを決めて3ゴールをマークし、改めて自らのポテンシャルを周囲に知らしめた大迫のプレーパフォーマンスは高く評価できる。
また、序盤は好調だったチーム成績が徐々に下降して10位で前半戦を折り返したことで、コーフェルト監督は後半戦に向けて何らかの戦術変更を目論むかもしれない。願わくは、日本代表のエースストライカーである大迫にチームの最前線でプレーしてもらいたいところだが、果たしてブレーメンの指揮官はどんな決断を下すだろうか。
一方、今季のブンデスリーガで最も厳しい立場に立たされているのはドルトムントの香川だろう。こちらもチームを束ねる指揮官がペーター・シュティーガー監督からルシアン・ファブレ監督へと代わってチーム再編が進んだ。その中で香川はチーム内競争を強いられた末に出場機会を失い、ここまでリーガ2試合に出場したのみで、現在はベンチ入りメンバーからも外れている。そんな中、香川自身は、のべ7シーズン在籍しているドルトムントからの移籍を希望し、今冬の移籍マーケット期間中に何らかのアクションを起こそうとしている。