ありきたりな表現だが、今年の第95回大会は「平成最後」の箱根駅伝である。ならば、平成最初の箱根駅伝はどの大学が優勝したか、覚えているだろうか。平成が始まったのは、昭和天皇が逝去した翌日、1989年1月8日。したがって、平成最初の大会は1990(平成2)年となる。このときの優勝校は大東文化大だった。あれから30年近くが経った。
【ランキング表】青学大?早稲田大? 箱根駅伝「平成」の最強校はここだ!
箱根駅伝で平成最強の大学はどこだろうか。1990(平成2)年から2018(平成30)年まで、各大会トップ10の順位を点数化して集計してみた(1位=10点、2位=9点、3位8点……9位2点、10位1点)。
1位は駒澤大だ。優勝6回(2000、2002~2005、2008年)、2位7回を数える。平成の初めのころ、成績はふるわず、1990年は14位、95年13位、96年12位だった。大八木弘明氏が1995年にコーチ、2002年助監督、2004年監督に就任するとめきめき力をつけ、常勝集団の名をほしいままにした。大八木監督は選手集めと育成に定評があるが、最近、学長から辞職勧告を受けたことがパワハラに当たるとして大八木監督側が大学に内部監査を申し立て、大学は第三者委員会を設置して調査を始めると発表した。
2位早稲田大は優勝2回(1993、2011年)、2位5回、3位3回、4位3回、5位3回と、毎年上位をキープしている。1993年、高校時代からトップクラスの成績を残した武井隆次、櫛部静二、花田勝彦の「三羽ガラス」が、いずれも区間賞をとって優勝に大きく貢献した。このときのコーチが元オリンピック代表の瀬古利彦氏だった。2011年には学生駅伝3冠(出雲、全日本大学、箱根駅伝)を達成している。
3位中央大は優勝1回(1996年)、3位6回、4位8回。通算では優勝14回、2019年の今大会で92回の出場を誇る。平成初期の1990年代は強かったが、2017年に予選会落ちして連続出場の記録が87回で途切れてしまった。このとき、1年生で主将だった舟津彰馬選手が泣きながらこう叫んだのが印象的だった。「もし、先輩方に文句を言うような人がいれば、自分が受けて立ちます。自分に全てぶつけてください! 先輩に心ない声や、そんなことを言うような人がいれば、自分は許しません」。3年になった舟津選手は1万メートルでは大学トップクラスの記録を持ち、今大会にもエントリーされている。