月齢の低い子をしっかりフォローして自信を育めるように保育しているか、施設の種類によらず見極めたいところだ。
2人の専門家が特に人員配置に注目するのは、目が行き届かなければ保育事故など重大な事態に直結するからだ。実際に、今月も東京・練馬区の認可外保育施設で生後6カ月の男の子が亡くなるという痛ましいケースが報じられたが、猪熊さんによると、国内の保育施設で2004年から16年までの13年間に、少なくとも190人の子どもが亡くなっているという(国の発表より、14年度までは厚労省管轄の保育施設のみ)。
190人を年齢別に見ると、0歳が97人、1歳56人、2歳15人、3歳6人、4歳6人、5歳5人、6歳5人で、0~1歳の赤ちゃんが8割を占める。場面別では、睡眠中が7割で最も多く、食事中や水遊び中などが続く。認可施設と認可外施設を園児10万人あたりで比較すると、圧倒的に認可外保育施設での死亡事故が多い。しかし、八尾市の認定こども園で園長の息子である男性職員が園児への強制わいせつの疑いで逮捕されたことをきっかけに保育士全員が退職を希望し、来年度から休園する可能性が報じられるなど、認可施設だからといって危険がないとは言い切れない。
虐待や死亡事故が起きた園を多く取材してきた猪熊さんは、複数の園に共通していた項目から安全面でチェックすべきポイントをこう話す。
「見極めるのが難しいところもありますが、保育室を見せてくれるか、行政による立ち入り調査で何度も指摘されている項目はないか、給食のサンプルが見られるか、保育士の数や勤続年数、職員同士の関係性、園長が高圧的だったり上意下達になっていたりしないかなども必ず見学して自分の目で確認してほしいと思います」(猪熊さん)
普光院さんも、どんな施設にせよ、安全性や施設の方針などは見学することでわかることがあると指摘する。
「先生と話をしてみる、保育している先生たちの姿を見る。そして目の前の子が我が子だったらと置き換えて見てみると、なんとなく見えてくることがあると思います。こんな風に腕を引っ張られたら嫌だなとか、家だったらこんなことしないなということが見えてきたりします」(普光院さん)