プロ入りをめざす独立リーグの選手たち(写真提供:ルートインBCリーグ)
プロ入りをめざす独立リーグの選手たち(写真提供:ルートインBCリーグ)
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 独立リーガーたちにとっては、自らの野球人生、いや、一生を左右する大舞台だといっても過言ではないのかもしれない。

 10月2、3の両日にわたり、独立リーグの『ルートインBCリーグ』(以下BCL)が、10球団から選抜されたメンバーで構成された“代表チーム”を組んで兵庫・鳴尾浜と大阪・舞洲へ遠征し、阪神2軍とオリックス2軍との交流戦を行った。

 独立LとNPB12球団のファームがシーズン中に試合を行うのは何も特別なことではなく、むしろ年々、その交流機会は増えている。ただ今回のマッチメークは10月25日に開催されるNPBドラフト会議の約3週間前という時期に行われたのが“ミソ"だ。BCL選抜に名を連ねた選手の大半、いや、ほぼイコールが12球団の指名候補にリストアップされていると見られる選手、つまり「ドラフト候補生」が集結したのだ。

 BCL・村山哲二代表は、今回の交流戦を「SHOWCASEです」と断言している。訳せば「見本市」。NPBを狙えると見込まれる選手をBCL各球団がリーグに推薦した中のえりすぐりのメンバーだ。

 NPBの各球団はドラフト指名する可能性のある選手に対して、プロフィールなどを確認するための調査書を事前に対象選手側に提出するのだが、この時期までに届いている選手に関しては「基本的に全員参加」とは村山代表の弁。さらにリーグ側は12球団の担当スカウトに連絡を入れ、実戦で最終チェックしたい選手の希望も聞いた上で、最終的にメンバーを決めているという。それだけに、まさしくドラフト前の“最終オーディション”の意味合いが強いのだ。

 米国ではアマ選手を公募しての『SHOWCASE』が各地で行われる。参加費も徴収し、グラウンドが何面もある会場に集まって一斉に試合が行われる。例えば打力をアピールしたい選手はグラウンドを渡り歩いて、さまざまな試合に代打や指名打者の形で参加し、何回も打席に立ったりする。メジャー球団のみならず、大学、独立リーグ、さらには欧州各国のリーグからも大挙してスカウトがやって来て、逸材をチェックする仕組みだ。

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日本版の「SHOWCASE」とは…