この店はパーンという噛み煙草も売っていた。これはキンマの葉に白いペーストを塗る。そのとき、おじさんの手にもペーストがついてしまう。
「おじさん、その空き箱はダメ。白いペーストが着いちゃったでしょ」
僕はあのとき、アムリツァルの駅で、いったいなにをしていたのだろうか。
しかし空き箱集めのおかげで、僕はインドを脱出することができた。
アムリツァルの駅はそれ以来だった。駅舎の記憶はほとんどない。おそらく建て替えられた気がする。そもそもいまのように大きな駅ではなかった。
今回、僕はこの駅で100ルピー、約160円の罰金をとられた。駅舎内は禁煙ということは知っていたが、駅の敷地内も禁煙とは知らなかったのだ。
インドも変わった。