そして、実際にそういうことが起きた時にも、相撲記者クラブの記者たちは、協会側についた報道をするかもしれない。それ以外の記者も取材するかもしれないが、やはり、クラブの記者たちの圧力で思ったような記事を書けない可能性も高い。

 戦いをやめた貴乃花親方だが、戦いは本人の意に反して続くのではないか。

 そう考えると、記者クラブ、とりわけ、相撲記者クラブの罪深さに憤りを感じてしまう。

 もちろん、問題の核心は、相撲協会の腐敗構造である。これまでも、八百長問題で国民の信頼を完全に失い、弟子の暴力死事件や横綱による傷害事件などの殺傷沙汰が続いたが、これらは単なる不祥事ではない、立派な犯罪行為だ。こうした問題を次々と起こしてきた角界を仕切ってきた日本相撲協会の責任は大きい。

 内閣府は、相撲協会の公益法人としての資格をはく奪すべきではないのか。外部の有識者を協会トップに据えて、根本から改革し、しかるべき成果を上げたところで再度公益法人認定を申請させる。あわせて、相撲記者クラブは解体し、フリーの記者たちにも取材を開放する。それくらいの荒療治をしないと、協会は永遠に問題を起こし続けるだろう。

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