――横綱を引退した時「すがすがしい気持ち」とお話していましたが、今現在のお気持ちは。

 苦渋の決断ではありますが、何より弟子たちの将来を見据えて断腸の思いです。

――ご家族にはご相談しましたか。

 私自身で決断いたしました。報告は、私自身が決めたことは、そうだと理解をもらっています。

――手塩にかけた弟子たちと別れるお気持ちはどういった心境ですか。

 無念と言いますか、悲しい思いですけども、弟子たちが土俵で活躍することが最優先するべきことだという思いです。

――弟子の反応は。

 力士間の噂話は出ているかと思いますが、今朝、全員で初めて向き合って話をしました。

――その時の様子は。

 涙する子たちも、ほとんどでしたが、ただ、側面からこれから弟子たちを見守るとしていきたいです。

――今後の相撲とのかかわり方は。

 土俵に育てられていますので、土俵には携わっていきたいという気持ちです。

――どういった形で。

 住まいでもある相撲部屋に土俵がありますので、できる限り土俵は存続のままでいきたいと思います。

――親方がどうしても譲れなかったことは。

 告発状の内容について事実無根であることを認めることができなかったことです。

――やめる以外の選択肢はなかったのでしょうか。

 相撲人生も15から始めて、まだ30年あまりですが、とにかくこういう状態の中で私の弟子たちが知らず知らずに委縮してケガをしてしまったりということは避けたいという思いで決断しました。

――まだ退職届は受理されていませんが、残る考えは。

 ございません。

――一番の理由はなんですか。

 相撲に携わっていきたいという気持ちはありますが、弟子たちが可愛いですので、これからも柔らかな気持ちで見守ってあげたいという思いがとても強くあります。

――7月の理事会で必ずどこかの一門に入るという取り決めがされた時、どのような受け止めをされましたか。

 今場所の後半に直接役員の親方から聞いたのが初めてでありました。それ以前は相撲担当の記者さんに聞かされたといったレベルでしたので、正式な通達があるのかなと思って審判に従事していたわけで、現在に至るという状態です。

次のページ 何らかの圧力は果たしてあったのか…