9月11日、法務省は2018年の司法試験の法科大学院別データを発表した。合格者数1位は京都大(法科大学院、以下同)で、128人。ここ数年、東京大、慶應義塾大、早稲田大、中央大で合格者数トップを競い合っていたが、京都大が戦後の司法試験制度で史上初めてトップとなった。
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その要因について大学関係者は、前年の不合格者が合格することで全体の数が増える「隔年現象」に加え、地域性もあるとみる。優秀な学生は関東では前記4大学に散らばったが、関西においては京都大に多く集まり、ほぼ一人勝ちになっている、というのだ。大阪大、神戸大も毎年、一定の合格者を出しているが、規模は大きくない。私立の関関同立がかなり苦戦していることも京都大をトップに押し上げた要因という見方である。
合格率1位は東北学院大60%。受験者5人、合格者3人という少なすぎるデータでトップになった。だが、大学は喜べない。東北学院大法科大学院は2013年に募集を停止しているからだ。その理由について募集停止当時、ウェブサイトにはこう記されている。
「志願者数、入学者数とも減少が続いてきました。とくに近年は教育活動に不都合を生じるほどの入学者数にとどまるという深刻な事態にいたりました」(星宮望学長<当時> 13年3月7日)
同校OBたちが、かなりがんばったことは高く評価されていい。
法科大学院の司法試験合格状況について、残念ながら明るい話はなかなかない。合格者9人以下の48校のうち、37校は募集を停止したか、停止を公表している。11校は存続するが、うち合格者が3人以下なのが愛知大、駒澤大、金沢大。かなり厳しい状況である。
合格者10人以上の大学はすべて存続する。しかし、これらの大学も合格率でみると、先行きが不安視される。なかでも大規模校が苦戦している。受験者数が90人を超えるのに、合格率15%未満の大学が5校ある。
(以下、受験者数、合格者数、合格率)
上智大 122人、18人、14.75%
明治大 204人、25人、12.25%
立命館大 132人、15人、11.36%
日本大 90人、9人、10.00%
関西大 95人、6人、6.32%